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塚本 佐知子 教授

塚本 佐知子 教授

真菌から新規性の高い化合物を発見  ~新たな医薬品の開発に向けて~

 熊本大学大学院生命科学研究部(薬学系)の塚本佐知子教授らのグループが、真菌(Aspergillus taichungensis)から新規性の高い化学構造を有するアルカロイドを発見しました。

  植物、微生物、海洋生物からは、これまでに多くの生理活性物質が発見され、それらの中から医薬品が誕生しています。生理活性物質が天然資源に存在する意義に関してはいろいろ推測されていますが、天敵などから身を守る手段を持たない生物(特に素早く動くことのできない生物)にとっては、生理活性物質を生体防御のために用いているのではないかと考えられています。

  塚本教授らは、天然資源から医薬品となるような化合物を探索していますが、今回、台湾の土壌から得られた真菌(共同研究者から提供された)から、数種類のアルカロイドを単離し、各種NMRスペクトルおよび計算化学の手法を用いて立体構造を決定しました。

  アルカロイドは窒素を含む有機化合物で、これまでに天然資源から数多くのアルカロイドが発見されています。そして、それらの中には医薬品となるような強い生理活性を有するものが知られています。塚本教授らが発見したアルカロイドの構造は世界で誰も発見していない新規性の高いものであることから、今後、アルカロイドを基本骨格とした医薬品を開発する際に大いに役立つと期待されます。

  塚本教授らの研究成果は、ドイツの化学雑誌の中でもレベルの高いことで有名なAngewandte Chemie International Editionのオンライン版でドイツ時間の2015年12月8日(火)に公開されました(10.1002/anie.201509462R1 betsumado.png)。

国際学会写真.jpeg2015年9月に開催の国際学会懇親会にて(タイの研究者と塚本教授)

 

» 熊本大学ウェブページ お知らせ(生命科学系)へのリンク 

    (上記記事の詳細は、こちらのリンクよりご覧いただけます。betsumado.png

      http://www.kumamoto-u.ac.jp/whatsnew/seimei/20151215

    

海洋生物からの創薬研究

 熊本大学大学院生命科学研究部(薬学系)の塚本佐知子教授らのグループが、海洋生物の「海綿」から抽出した天然有機化合物の「マンザミンA」に、動脈硬化を抑制する効果があることを解明しました。

 塚本教授らは、天然資源から「薬」となるような有用物質を探索し、作用機能の解明を行っています。これまで、医薬品の原料となる物質は、植物や微生物から多く発見されてきましたが、最近、海洋生物もその探索源として注目されており、塚本教授らは海洋無脊椎動物(海綿やホヤ)や微生物の採集を行い、研究室で各種アッセイ(医薬品となるような薬効があるかどうかを調べること)を行ないながら、医薬品となるような物質を探索しています。

 グループは、まず、インドネシアの研究者の協力を得てダイビングにより潜水し、海綿を採取しました。そして、動脈硬化症を阻害する作用を示した海綿の抽出物から「マンザミンA」というアルカロイドを単離し、動脈硬化を起こすよう操作したマウスに3ヶ月間飲ませたところ、飲ませなかったマウスに比べて血中の脂質濃度が下がり、動脈硬化の病変が縮小していることが分かりました。

 このような作用を示す成分は、生活習慣病の予防あるいは改善薬となることが期待されますが、塚本教授によると「現在使用されている薬とは化学構造が全く異なっているので、新薬開発につながる可能性がある」と話しています。

 人類は、古来より薬用植物を民間薬として利用してきましたが、海洋生物からは植物には含有されていないような薬効の強い成分が発見されています。特に、海綿やホヤなどは海底の岩盤に付着して生活しているので移動することができませんが、敵から身を守るため薬効の強い成分を毒として用いていると考えられています。また、海綿やホヤなどの海洋生物は、海水中に浮遊している微生物や餌になる固形物を海水とともに吸い込み栄養としているため、長い進化の歴史の中で吸い込まれた微生物が海洋生物の体内に共生し、宿主生物が生体防御に用いる毒成分を生合成していると考えられています。

 「マンザミンA」も実際に海綿が生合成しているのではなく、海綿に共生しているバクテリアが作り出していることが分かっており、今後の研究で機能が解明され、創薬につながることが期待されます。

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インドネシアで採集を行った際の写真(2013年9月)

前列左から3番目、写真中央に塚本教授。隣のオレンジのシャツは加藤助教。後ろは川畑助教、教授の右後ろに D2 の中村さん。4人を囲むのは、手伝ってもらったインドネシアの大学の学生さんたち。




   新聞の掲載記事をPDF形式でご覧いただけます。

 海綿に動脈硬化抑える物質 【掲載年月日:2014年1月15日(291KB)】

   ※熊本日日新聞社提供

 

 

塚本 佐知子 教授
熊本大学 大学院 生命科学研究部 天然薬物学分野
» 研究内容等の詳細についてはこちらをご覧ください betsumado.png

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