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坂田 眞砂代 准教授

坂田 眞砂代 准教授

世界の子供を救える! ワクチンからの有毒物質除去剤の開発

sakata.jpg 熊本大学大学院自然科学研究科の坂田眞砂代(さかた・まさよ)准教授の研究チームとJNC 株式会社との共同グループは、シクロデキストリン (CyD) とウレタンの共重合粒子を合成し、その粒子を用いてワクチン原材料などの注射用溶液にごくわずかに含まれる有毒なエンドトキシンを除去することに成功しました。

 この成果は、高分子学会より報道機関へ公表する演題として選択され、日本経済新聞「DNAワクチンの製造時有害物質を除く吸着剤」(2012年10月25日)、熊本日日新聞「ワクチンから有毒物質除去」(2012年10月31日)等に掲載された後、2013年8月19日付のオランダ科学誌アナリティカル・バイオケミストリー電子版に、学術論文として掲載されました。

 細菌の細胞壁に存在するエンドトキシン (リポポリサッカライド; LPS)は、毒性分子で、細菌が世代交代などで死ぬことにより細胞壁が壊れると水中に放出されます。また、エンドトキシンは、水道水や蒸留水等にも含まれていて、毒性が強いので、微量でも注射などで投与されると発熱やショック死などの副作用を引き起こす危険性があります。そのため注射用医薬品の製造工程では、エンドトキシンを取り除くことが法律で義務付けられており、遠心分離法とクロマトグラフィ法の併用により除去されていますが、有効成分の回収率が下がり,製造コストを押し上げる要因になっています。

 グループは、既に2004 年に、タンパク質水溶液からのエンドトキシン除去剤として、カチオン性高分子吸着剤 (セルファインET クリーン、JNC 株式会社製造) の商品化に成功していますが、この吸着剤は、DNA とエンドトキシンの両方を吸着するため、混合液からエンドトキシンのみを選択的に除去することはできませんでした。

 今回開発された「CyD/ウレタン粒子」は、DNA とエンドトキシンの混合溶液から、DNAを吸着することなく、選択的にエンドトキシンを除去することができます。さらに、この吸着剤は、水溶液からワンステップで有毒物質を取り除くことができるため、副作用の少ないDNA ワクチンをつくるために、大きく貢献することが期待されています。

 この成果は、「エンドトキシン吸着材」として、既に国内および国外の特許出願がされており、今後は、合成技術を確立し、安全性を確かめ、実用化を目指すということです。

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» 熊本大学プレスリリース




   新聞の掲載記事をPDF形式でご覧いただけます。

 ワクチンから有毒物質除去  【掲載年月日:2012年10月31日(270KB)】

   ※熊本日日新聞社提供

 

 

坂田 眞砂代 准教授
熊本大学大学院自然科学研究科産業創造工学専攻 物質生命化学講座
» 研究内容等の詳細についてはこちらをご覧ください

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