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増田 仁 専任講師

増田 仁 専任講師

戦後、家政学教育がしてきたことを掘り起こす!

研究を始めた動機

 高校入学当初、家庭科が女子のみ必修であることを知り、この教科には「何かがある」と感じました。大学で教育社会学を専攻し、教育と社会との関係性を学ぶ中で、家庭科こそ学校と人々の生活世界との結節点にあると考え、家庭科(家政学教育)を研究テーマに選びました。時代は、日本の家庭生活が大きく変わり、家庭科の改革が特に盛んだった高度経済成長期に焦点を当てました。研究を進める中で、家庭科を論じるためには、ジェンダー、資本主義社会、地域生活、主婦労働等様々な問題を深く知る必要を感じ、そこに大きな可能性を見出しました。

研究内容

 家庭科は戦後初期に「不要論」や履修者の低迷に悩み、1960年に高等学校普通科女子に必修としました。しかし、1985年の女子差別撤廃条約批准の際に、教育の男女平等に反するとされて、男女共修化が進められました。この事実だけからも、家庭科が時代の波に翻弄されながらも、柔軟に生き延びてきたことが分かります。この家政学教育が人々にどのような影響を与え続けてきたのかを学校現場だけではなく、地域の生活改善を行う家庭クラブ、農繁期の共同炊事等に焦点を当てて、文献資料や聞き取り調査から明らかにしてきました。

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(写真1)

 教員の手記等から、資本主義社会を批判する家庭科教育の構想のなかで、家庭科が労働力の再生産を通して資本主義を結果的に支えているという事実や職業教育の伸長の中で「礼儀作法」等家庭科教育的内容が暗に盛り込まれていくことを実証しました。また聞き取り調査から、家庭クラブの実践が富裕層では受け入れられていくが、下層には広まっていかなかったこと、農林水産省主導で行われた共同炊事が民衆によって「読み替え」られ、労働力の省力化より「楽しみ」として継続されてきたことを明らかにしました。聞き取りの過程で、農村の高齢者の熱意と温かさに触れ、当時の生活/労働の過酷さだけでなく、地域で共に生きてきた経験も書き留めたいと思いました。(写真1参照)

 

家政学教育研究の魅力

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 歴史を学ぶと、私たちの「常識」を超えた生活の在り方が存在していたことを知ります。それは共同での炊事や子育てであったり、衛生観念の違いであったりします。こうした事実を知ることは、自分たちの生活を変える契機になります。これからも女性と生活をキーワードに、生活者の「論理」とは何かを問い続けていきたいと思います。近年は、学術図書の出版に限らず、家庭科のテキスト執筆や講演活動など家政学教育の変遷を幅広い層に伝えるとともに、東日本大震災以降の子育てについて福島等で調査をするなど現在の生活をめぐる事象についても研究を進めています。

  

熊本大学教育学部 専任講師 増田 仁

 公式ホームページ: masuda.her.jp betsumado.png

  

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