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粂 昭苑 教授

粂 昭苑 教授

万能細胞培養の効率アップの「簡便な方法」発見

 熊本大学発生医学研究所の粂昭苑教授と東京大などの研究チームは、様々な細胞に代わる万能細胞を培養する際、与えるアミノ酸の条件を調整すると分化の効率が大幅に高まることが分かったと発表しました。米科学誌「セル・メタボリズム」(オンライン版2014年4月18日付け)に掲載され、朝日新聞(同年4月18日及び19日)にも取り上げられました。
 今回の研究で着目したのは、人間が体内で作れず摂取しなければならない必須アミノ酸の組成です。主な9種のアミノ酸で実験を繰り返し、そのうち「メチオニン」というアミノ酸を操作することで、ヒトの人工多能性幹細胞(iPS細胞)の分化を促し、腫瘍化する可能性のある未分化細胞を効率的に取り除くことができることを発見しました。
 チームは、ヒトの万能細胞(iPS細胞とES細胞)の培養液からメチオニンを取り除いたところ、細胞は2日後にほとんどが死滅したものの、メチオニンがない状態を10時間にすると、従来20%前後だった分化効率が約40~85%の高い割合で促進されることを確認しました。
 また、メチオニンが含まれない培養液を分化過程で利用することにより、分化細胞の中に混ざった未分化細胞を除去できることもわかりました。分化していない細胞は腫瘍化する性質があるため、メチオニン除去培養液を利用するという安全性の高い方法で、腫瘍化のリスクを減らすことができるということです。
 万能細胞の研究では、細胞の成長・増殖の研究が主流ですが、この研究によって、ヒトの万能細胞におけるメチオニンの代謝特性について、世界で初めて明らかになりました。
 粂教授は、「培養液の組成を変更するという非常に簡便な方法で分化の効率を高められるので、創薬研究や再生医療など幅広いニーズに貢献できる」と話しています。

» 熊本大学プレスリリース




粂教授のチーム快挙 ES細胞から膵臓細胞 マウスで成功

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熊本大学発生医学研究所の粂昭苑(くめ・しょうえん)教授の研究チームが、あらゆる細胞に分化できるマウスの胚性幹細胞(ES細胞)から、生体の膵臓と同様にインスリンを分泌する細胞を効率よく作製することに成功しました。
この成果は、2013年12月16日付の米科学誌ネイチャー・ケミカル・バイオロジー電子版に掲載されました。
チームは、発生医療技術の最先端開発であるインシュリンを作り出す細胞の再生を研究しています。糖尿病の重症患者は、インシュリンをずっと投与しなければなりませんが、そのコントロールは難しく、いろんな臓器がダメージを受けてくる場合があります。臓器移植という治療方法も考えられますが、提供者に限りがあるため、その臓器をES細胞から新たに作り出すことを研究してきました。
今回、ES細胞から、能力の高い膵臓細胞を作るのに必要な2種類の化合物を特定した結果、従来のものと比べ、生体内の分泌能力に近づき、高い効果が得られました。粂教授によると「今後ヒトのiPS細胞でも確かめる」と話しています。
この方法をヒトのiPS細胞に応用すれば、糖尿病患者の体内に膵臓細胞を入れたカプセルを埋め込む等、ドナー提供を待たずに移植治療できる可能性があるということです。

» 熊本大学プレスリリース




   新聞の掲載記事をPDF形式でご覧いただけます。

 血糖値下げる膵臓細胞 【掲載年月日:2013年12月16日(285KB)】

 ヒトiPS、ES細胞 効率分化 【掲載年月日:2014年4月23日(477KB)】

   ※熊本日日新聞社提供

  

粂 昭苑 教授
熊本大学発生医学研究所 幹細胞部門 多能性幹細胞分野
» 研究内容等の詳細についてはこちらをご覧ください

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