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小島 知子 准教授

小島 知子 准教授

熊本における浮遊粒子状物質の常時観測を始動!

kojima02.jpg 『PM2.5』という言葉もすっかり定着し、ニュースで騒がれることも少なくなりましたが、大気汚染に関する研究にはまだまだ多くの課題が残されています。これまで欧米でなされた研究結果に基づいて環境基準が設定されてはいるものの、日本におけるPM2.5の発生プロセスや健康影響を明らかにするために、国内での調査を進めていかなければなりません。

 熊本大学大学院自然科学研究科の小島知子(こじま・ともこ)准教授は、PM2.5を含む大気中の浮遊粒子状物質(Particulate Matter:PM)の研究を行っています。中国大陸に近い九州は、越境汚染の調査を行うのに適した地域です。小島准教授はこれまで、大陸からの気塊の影響で大気質が特に低下する春季に、熊本市内や天草、長崎県の福江島で大気観測を実施してきました。スペイン、オランダ、イタリアの大気科学者達と行った共同研究では、熊本市の大気に含まれる黄砂や汚染物質の量の変化を6週間にわたって調べ、越境汚染の原因となるPMの発生源特定を試みています(下記の参考文献)。

 刻一刻と複雑な動きを見せる大気の研究には、多方面にわたる知識や、改良を重ねた最新の観測および分析機器類、それらを扱う技術が要求されます。ですから、様々な研究機関に所属する多くの研究者達との協力が欠かせません。小島准教授は、PMが循環器疾患に及ぼす影響を調査する研究プロジェクト(研究代表者:国立環境研究所 高見昭憲 主任研究員)に協力することとなり、2014年の夏から熊本でのPM常時観測を開始しました。

 このプロジェクトでは、PM10やPM2.5の量だけではなく、その中に含まれる水溶性の硫酸塩、硝酸塩、有機化合物に加え、ブラックカーボンの濃度を1時間ごとに計測します。これらのデータと、熊本大学医学部および大学病院に集められた循環器疾患(急性心筋梗塞)の発生件数データを比較して、PMの量や組成の変化が循環器疾患の発生にどう関連するかを明らかにしようとしています。PMの正しいデータを長期間連続して収集できるよう、常時観測を行う自動分析装置(紀本電子工業 ACSA-14)を適切に管理するのが、小島准教授の役割です。

 PMが有害だということはわかっていても、その中に含まれるどの成分がどの程度影響するのかについては、まだデータが限られているのが現状です。PMがどれだけの量であれば注意が必要なのかという疑問にも、明確な答えはありませんでした。この研究プロジェクトにより、日本のPM2.5に関する知見が大きく広がることが期待されます。現行の「注意喚起のための暫定的な指針」の検討にも、重要なデータを提供することになるでしょう。

 

PMについては、「NHK そなえる防災」ホームページで公開されている小島准教授の解説記事もごらんください。

参考文献:Moreno, T. et al., Atmospheric Chemistry and Physics 13, 1411-1424, 2013.

参考ホームページ:http://www.nhk.or.jp/sonae/column/taiki.html




   新聞の掲載記事をPDF形式でご覧いただけます。

 PM2.5荒尾と大牟田で数値に差  【掲載年月日:2013年5月24日(415KB)】

   ※熊本日日新聞社提供

 

 

小島 知子 准教授
熊本大学大学院自然科学研究科
理学専攻 地球環境科学講座

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